看護師派遣先の中で高給与として挙がりやすい訪問入浴。
「どんな仕事?」
「きついって本当?」
「わたしでも働ける?」
そんな疑問にお答えします!
- 訪問入浴のバイトをする際に求められる技術
- スポットバイトとして訪問入浴をする際の役割やスケジュール
- 訪問入浴のメリットデメリット
訪問入浴って何するの?
訪問入浴とは、看護職員1名以上を含めた3名以上のスタッフが自宅に訪問し、専用の浴槽を使って入浴をサポートしてくれる介護サービスです。
要介護者本人が自力での入浴が困難であったり、家族のサポートだけでは入浴が難しい場合に利用され、ご本人の清潔が保たれて、家族の負担も軽減されます。
看護師の役割
介護職員とともにご利用者様の自宅へ訪問し、入浴前後のバイタルチェック、体調・服薬管理、カルテ記入、 介護職員のサポートなどを行います。
訪問入浴は、看護師であっても吸引、摘便、栄養管理、点滴といった本来の目的(入浴)とは異なる医療行為はできません。
VS測定、体調チェック、医師や訪問看護師から指示されている褥瘡処置など、健康状態の確認を行うよ!
- VS測定
- 更衣(麻痺のある人、CVが入っている人などの手順を理解)
- 褥瘡処置(処置内容は指示あり)
- 爪切り
- 髭剃り
- Ba管理(移動時のクランプ等)
- ストマ交換
- 気管カニューレ管理((異常がなければYガーゼ交換程度、指示あり)
- 胃瘻処置(異常がなければYガーゼ交換程度、指示あり)
- 洗髪、洗体は各会社ごとに手順があるのでスタッフの指示に従って動きましょう。
- 処置内容は利用者様と会社で相談し設定されており、カルテ上で指示されています。
- VSなどから入浴できる状態かどうかの判断は求められますが、高度なアセスメントは必要ありません。
他のスタッフは?
基本的には看護師1名、介護士2名でチームを組み1日の訪問スケジュールを回っていきます。
チームは、
- 男性介護士1名(運転、力仕事、男性を希望している人の入浴介助)
- 女性介護士1名(看護師の補助、片付けや準備、女性の入浴介助)
- 看護師1名(自分)
で組み立てられていることが多いですが、人員不足などの事情によっては異なるかもしれません。
初めての時は、常勤の看護師さんを1名女性介護士として組んでくれることも多いです。
対象はどんな人?
要介護認定を受けており医師から入浴を許可されている人が対象となります。
自宅で生活している方の介助になるので、患者様ではなく利用者様と呼びます。
ADLは、自力で浴槽まで歩いていける人から、全身麻痺で自力で動けず担架で浴槽まで運ぶ必要がある人などさまざまです。
酸素投与をしている人や、人工呼吸器を利用している人、気管切開後の人、褥瘡やストーマ処置をしている人など利用者様によって必要な処置も異なります。
かかる時間は?
1日でおよそ5〜8件の自宅を回ります。
移動時間に5〜30分程度かかる場合が多いです。
訪問入浴では、準備から片付けまでを50分前後で行います。
(入浴前)健康チェック・浴槽の準備・脱衣:15〜20分
(入 浴)10分程度
(入浴後)健康チェック・浴槽の片付け・着衣:15〜20分
スケジュール
- 営業所に出勤
- 着替え、情報収集など訪問の準備をします
- 訪問車で移動
- 訪問して健康チェック
- VS測定、体調確認、指示があれば爪切りや髭剃りを行います
- 浴槽に移動し入浴介助
- 介護スタッフと一緒に洗髪や洗体をします
- 全身をチェックし傷がないか確認します
- 入浴後の更衣や健康チェック
- ベッドに戻ったら更衣と傷の処置をします
- 退室
- 車内で記録をします
- 移動
営業所〜訪問車までの流れ
貸与された制服へ着替えた後、電子カルテの使い方、訪問入浴の流れ、訪問バッグの中身の説明を受けます。訪問バッグに必要物品が全て揃っているかチェックリストを用いて確認をします。
- 出発前にやることが多いので、勤務開始時間の15〜30分前までに出勤するようにしましょう。
- バッグの中の手袋が少なければ伝えましょう。浴前オムツ交換と浴後処置で訪問人数×2は欲しいところです。
その日に訪問する利用者様の情報収集を行います。
自分用にiPadを1台渡されるので、iPad上の電子カルテや紙カルテから拾った情報を渡されたメモ用紙に記載しておきます。メモ用紙はバインダーに挟み持ち歩けます。
事業所によっては常勤スタッフから口頭で申し送りを受ける場合もあります。
- あまり時間がないので、午前中に回る人、少なくとも最初に回る人の情報だけでも確認しておきましょう。
- iPadはいつでも確認が可能ですが、利用者様の自宅で開いていると時間もかかり少し気まずい思いをするので必要な処置などはメモしておきましょう。
介護士スタッフ2名と挨拶をし、訪問者に乗り込みます。
車内ではiPadから情報収集をしたり、他のスタッフと談笑をして利用者様の自宅まで移動します。
利用者様の自宅が近づいてきたら、自宅への入り方や移動方法などチーム内で情報共有をします。看護師がカルテ上に記載されている共有事項を読み上げることが多いです。
- なぜか助手席を案内されることが多いので、定位置なのだと思います。
- 乗り物酔いをする人が注意が必要です。
訪問時の流れ
スタッフ全員で挨拶をして自宅の洗面所を借りて手を洗います。
手洗い後、看護師は利用者様のもとへ直行し、VS測定を行います。この時指示された観察項目があれば観察します。
VS値やカルテ記載の注意点、既往を踏まえて入浴可能か判断します。体調と希望によっては部分浴、清拭への変更を判断する場合もあります。
- 測定したVS値はそのままiPadに入力可能ですが、時間がなければメモして記録は後に回しましょう。
- 医師より入浴可否を決める基準として血圧指示、SpO2指示が出ている場合があるので、指示の有無は確認しておきましょう。
介護スタッフがお湯の準備を行なっている間に、脱衣を進めます。
オムツチェックもして、排便があれば簡単に拭いておきましょう。物品はベッド周囲にあると思いますが、利用者様か介護スタッフに確認して使用してください。
- 脱衣が早すぎると、お湯の準備ができるまで寒い思いをさせてしまうので、お湯の溜まり具合を見ながらタイミングを見極める必要があります。
車内で共有された情報をもとに、利用者様の状態に合った移動方法で浴槽まで移動します。
担架で移動の場合は介護士スタッフと3人で運び、看護師は足を持ち上げることを任されることが多いです。絶対に落としたり、移動時にぶつけないように慎重に運びましょう。
- 利用者様の状態によっては移動方法を変更する事もあります。
浴槽に移動したらまず耳に綿球を詰め、入浴を開始します。
洗髪、洗体はどちらを担当するか指示されるので、指示通りに行いましょう。
入浴前と同様に、ベッドへ移動します。
移動後はタオルで水滴を拭き取り、必要な創傷処置を行います。排水をしたら介護士さんが手伝いに来てくれるので、処置に人手が必要な場合は可能な範囲で更衣を進めて待ちましょう。
更衣後はドライヤーで髪を乾かし、ベッド周囲の環境整備をしたら終了です。挨拶をして退室します。
- 湯冷めしないように、あまり時間をかけずに行いましょう。
訪問後の流れ
訪問車内で記録をします。訪問時間、退室時間、VS測定、観察項目を入力します。
湯温や入浴時間は介護士スタッフが管理しているので、記載が必要なら確認して入力しましょう。
次に訪問する利用者様の情報収集をしましょう。
昼食は基本は営業所で食べられますが、スケジュールによっては車内でとる事もあります。
持ち物
ボールペン、スニーカー、靴下、指示があれば汚れてもいいズボン
- 会社ごとの制服はありますが、ズボンだけ持参の場合もあります。靴下は必須のため、真夏でサンダルを履いていく場合は忘れないように要注意!
- 職員はクロックスを履いていることが多いですが、念の為スニーカーを履いていった方が無難でしょう。人のお宅を訪問するのによっぽど奇抜な柄じゃなければ大丈夫です。
靴下以外は忘れても借りられるので何とかなる!!
メリット・デメリット
メリット
医療機関以外の施設としては比較的高給料
大体相場が時給1800〜2200円程度です。派遣会社や事業所によって差があります。
他の施設の時給が1300〜1,750程度のことが多いので値段設定はやや高めです。
高度なアセスメントや処置が求められない
入浴と観察が主な仕事なので、高度なアセスメントをする機会はほとんどないです。
また、医療処置が少ないため経験が浅い人や技術に自信がない人も始めやすいです。
移動時間も時給が発生する
勤務時間は時給が発生しているので、実際に訪問している時間以外も給料が得られていることになります。訪問数が少ない日などはラッキーです。
清潔処置のコツを掴める
同行する介護職員は清潔処置のプロなので、気持ちがよく負担にならない洗髪方法や湯冷めしないケアなど自身の清潔処置に役立つ学びがあるでしょう。
デメリット
体力面での負担が大きい
利用者様を担架で移送するのはなかなか重労働です。
介護度は様々ですが、やはり訪問入浴を利用される方は麻痺があるなど自分で動けない方が多く、半分以上は担架での移送になると思っておいた方がいいです。100kg超えの方も意外と多いです。
入浴中は中腰か、膝をついて介助に入ります。腰痛持ちの人にはおすすめしません。
人間関係が負担
その日1日はチームとして一緒になった介護スタッフ2名と移動することになります。
移動時間も長く、スタッフさんとコミュニケーションを楽しめる人はいいですが、閉ざされた空間で会話をしないと耐えられない人には負担となるでしょう。
タイムスケジュールが訪問スケジュールに左右される
応募時に、移動時間が休憩時間に含まれると記載されていることが多いです。
基本的には昼休憩が取れるようにスケジュールを組み立ててくれていますが、運が悪いと車の中で昼食を取ることになるため、お弁当は温め不要で車内でも食べやすいものがいいでしょう。
車酔いをする
車での移動時間が長く、車内で記録をすることから車酔いをする可能性があります。
酔ってしまった際に窓を開けたい、トイレに寄りたいなどの希望を伝えづらいため、酔いやすい方は注意が必要です。
利用者がお客様
病院とは違い相手は患者ではありません。相手の自宅で生活介助をしに行っているという点からも、一番お客様対応が求められる印象です。
処置方法に疑問があっても、家族や利用者様の指示通り。
汚いもの扱いが嫌だと手袋の着用を嫌がられ、素手で隠部を洗うこともあります。
やってみた感想
1日約15000円くらい稼げるし、ギリギリでも募集あったから応募はしやすい!
入浴介助とか処置とか流れは一緒だし作業は単純。
対応や処置が難しい人は常勤さんがみるから、技術面でのハードルは低いよ🙆🏻♀️🛁
お風呂ありがとう〜って言われるのも結構嬉しい!
体力的には一番きつい😣💦
担架で移動の人多いし、更衣や褥瘡処置の時の体位変換は1人だし。
でもバイトだから、一応負担が軽くなるように考慮してもらえる。
入浴は大体素手だけど、軟膏塗布の時とかは意地でも手袋してた。
スタッフには勧められもしないけど、付けても何か言われたことない!
あと、結構気を使う場面が多くてそれが一番ストレス⚡️
脱衣は早すぎても寒いし、遅いと流れを止めちゃうし、入浴後は待たせないように着衣や創傷処置は全力だった。
常勤2人が仲悪い時はお互いわたしにしか話しかけてこなくて、業務じゃないところでめっちゃ疲れた。
看護技術に自信がない新人さんやバイト初心者にはおすすめ!
体力的にも精神的にも疲れるから中堅になったら行かなくなった、、
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